目次

「TSO戦記〜シンクロダイブシステム」

1−1 雄太と密林

文/絵:都積せいや


【はじめに】
TSOとは、物語の世界で流行しているネットワークゲ
ームの略称です。
正式名称は「トランジッション・スピリッツ・オンライン」
と称します。


【本文】
雄太がまわりを見渡すと森の中だった。

「ぼく、どうして外にいるんだろ。あ、もしかして、
ここってTSOの世界の中じゃないか!」

叫んだとたん、足をすべらせて川に落ちてしまった。

バッシャーン!

雄太はおあむけに水につかって水びたしになってしま
った。肩にあたる水流がとめどなく当たるのを感じる。

「こ、これって、リ、リアルすぎるよ」

「この服って実際に着てみるとなんだかはずかしい……」



「どうしてこうなっちゃったんだろう……」


ことの顛末は、ある日の夕方、雄太はおじいちゃんの研
究所に遊びに来ていたときに始まった。

おじいちゃんは発明が大好きでいろいろと作っている。

とくに雄太が喜ぶものを作るのが大好きだった。

「おお、雄太か。おどろけ、ゲーム機用に新しいデバイ
スをつくったのじゃ」

おじいちゃんはヘッドフォンみたいなものを持ってきた。

「これは、シンクロダイブシステムといって、これを使
えばTSO(ネットワークゲーム)の世界に入ることが
できるんだ」



「へえ〜。で、おじいちゃんがやってみてどうだった?」

「わしか?わしはもう年寄りだから、大きなショックを
受けたときに心臓が耐えきれない可能性があるからな。
だからお前に試して欲しいんだ」

「ええ〜、大丈夫なの?」

「もちろん大丈夫さ。今まで問題あったことがあったか?」

「うーん、なかったなぁ。じゃあこれ、家に持って帰っ
て試してみるね」

「よしよし。明日にでも感想を聞かせてくれ」

「うん」

雄太はシンクロダイブシステムをかかえて、となりにあ
る家に帰宅していった。

「ただいま」

「おかえりなさい雄太。おかあさん、ちょっと出かける
から留守番していてね。夕方には帰るわ」

「うん、留守番してる」

「じゃあ頼んだわよ」

そういうと、母はでかけていった。

雄太はコップの水でのどをうるおすと、居間に向かった。

クッションに腰をおろしてゲーム機に電源を入れようと
した。

「そうだ、おじいちゃんの機械を試さなきゃ」

接続方法は映像出力と操作コントローラのコネクタの形
状だったのですぐに分かった。

シンクロダイブシステムを頭からかぶり、耳にヘッドフ
ォンを当て、液晶を目の前にあわせた。

電源のスイッチを手探りで探し当てて入れると、目の前
が明るくなった。

「あれ?真っ白で何もうつらないや」

ゲーム機の電源を切ろうと立ちあがろうとしたとき、画
面にキラキラと星が現れ出し、それを見つめていた雄太
はフッと意識を失ってしまった。

キュィーーーーン!!

耳が鳴るような感じがした。

「う、うん……」

雄太は目を覚ました。

「そ、そうだゲーム機の電源を切らなきゃ……」

「あれ?無い。それにここはどこだろう」

雄太がまわりを見渡すと森の中だった。

「ぼく、どうして外にいるんだろ。あ、もしかして、
ここってTSOの世界の中じゃないか!」

叫んだとたん、足をすべらせて川に落ちてしまった。

バッシャーン!

雄太はおあむけに水につかって水びたしになってしま
った。肩にあたる水流がとめどなく当たるのを感じる。

「こ、これって、リ、リアルすぎるよ」

「服も水びたしになっちゃったし」

「ん?この服、ぼくの服じゃない」

よく見ると、肩と腰が露出していて、ショーツに似た
パンツ、胸もとの開いた上着。それから大きな三角の
帽子をかぶっていた。



「これって女の魔術師の格好じゃないか。もしかして、
顔も……」

そういうと、雄太は川の中をのぞきこんだ。

「やっぱり」

そこには女のこの顔が映しだされていた。

雄太はおそろしげな表情で、おそるおそる胸に手をあて
てみる。そこにはプクプクとした胸があった。

「う、やっぱり」

そして、ふくらんでいる胸を手でよけて足のつけねを見
てみると、やっぱりあるべきものが無くつるっとしてい
た。

「無いじゃん」

「この服って実際に着てみるとなんだかはずかしい……」

「どうしてこうなっちゃったんだろう……」

雄太はがっかりして、とぼとぼと川からあがって草むら
の上に座りこむと、雄太は今後のことについて考え出し
た。

「そういえば、戻り方がわかんないしなぁ」

雄太は空をあおいで大きくつぶやいた。澄んだ青がきれ
いで蝶が舞い、鳥のさえずりが聞こえる。

都会では味わえないすがすがしさだった。

「……、こういう自然のなかで自由な冒険も、たまには
いいかもしれない」

「戻る方法もそのうちわかるんじゃないかな」

そうつぶやくと、雄太はロッドを手にとって、まだ濡れ
ている服を早く乾いて欲しいと思いながら歩き始めた。

それからしばらく、雄太は森の中を探検していった。と
きおり弱いモンスターなどを退治したが、できるだけ戦
闘はさけて逃げるようにした。

「いでよ、炎!」

ドオォーン!



探検もある程度進んでいき、やがて夕日の色が雄太の顔
を染め始めた。

雄太が疲れをかすかに感じながら歩いていると、ある小
動物が植物にからまってもがいているのに気が付いた。

「きみ、動けないんだね?」

「くぅううん」

「まってな、いまほどいてやるから」

そういうとからまっていたつたのような植物をほどきは
じめた。

しかし、なぜかその植物はまるでゴムのようにきつくて
なかなかほどけない。

しょうがなく、雄太は小物入れからナイフを取り出し、
不器用に切りこみを入れて小動物を放してあげた。

「ふう。やっと切れた。もうドジふんじゃだめだぞ」

「クー、クー!」

その小動物は急に叫びだした。

「なに?どうした……、あっ」

雄太は片足をつたのようなもので不意にからまれた。

「うそ!なんで植物がかってに動くの?」

その植物はものすごい力で雄太の体を引きずっていく。

(なにかつかむものを!)

雄太はとっさに右手を近くのもの伸ばしてにつかまろう
とした。が、それがまずかった。

バシッ

右手でつかんだものもその植物の触手だったのだ。

やがて、雄太はうしろに倒れこみ、背中にふわりとした
感触を感じた。

ふりむくとそこには、巨大な花の形をした植物があった。
雄太はその大きな花の上に倒れたのだった。

どうやら植物の本体のようだ。

雄太は手をふりほどこうと手を動かした。が、多少は動
くものもゴムのような植物性の触手は雄太の手足をぴっ
たりと貼りついて取れなかった。

「そうか、この植物の触手はゴムの原理で触れたものに
巻きついてしまうんだ」

あの小動物もそのせいで捕まったにちがいない。

それから、しばらくの沈黙が横たわった。

「……。この植物はどうするつもりなんだろ」

雄太は縛られた状態にいらだちを感じ始めていた。

ウツボカズラのような食虫植物のような形はしておら
ず、あくまで一種の花の形をしているのが不思議だっ
た。

「とにかくこのままでいるわけにはいかないや」

そういうと雄太は縛られた右手の植物を左手でひろっ
たナイフで切ろうと植物に切りこんだ。

ガクンッ

ナイフのエッジが少し入ったとたん、植物の触手が跳ね
て雄太の体を直径5mくらいあるだろう花びらの中に投
げこんだ。

「いたっ」

あまりの落下のいきおいに受け身がとれなかった雄太は
うめいた。

「ううっ」

そして、雄太はよく動かすことのできない体を起こそう
と片手を差さえにして上体を起こした。

つるるっ

片手は花びらの上をすべってしまい、雄太は蜜の中にうつ
ぶせに転げてしまった。

「ごはぁっ、けほっ」

雄太はひと含みくらいの蜜を少し飲みこんでしまった。

そんなに粘りけのある蜜ではない。

しかし、油のようによく滑るので雄太は上体を無理に起
こすことをあきらめた。

「はあはあ」

あおむけに寝そべると雄太はあまり動かないようにこころ
がけた。

なぜなら、蜜の深さが耳やこめかみの当たりまであるので
あまり動くと蜜が口に入ってまた呼吸ができなくなるから
だ。

雄太の白っぽい服は蜜でびしょぬれになり、肌の色が透き
とおっていた。

そして、布地と肌が密着して、なまめかしく女性特有の体
のラインをくっきりとかたちどっていた。

とりあえず、雄太は呼吸を整えて落ち着こうと考えた。

多めに息をすって少し止める。そしてじょじょに息をは
いていき、また多めに息を吸う。

息を大きく呼吸するごとに大きく胸が上下する。女性の体
は単式呼吸のため、胸の部分が膨らむのだ。

そして、その胸の先端には尖った乳首が2つ、てらてらと
光沢をはなち小指くらいの塔を描いて自己主張していた。

「ああ、びしょぬれだよ。もう」

腕を少し動かしてみた。

しかし、うちつけられた衝撃のせいか、まだ自由がきかな
かったのでもう少し回復を待つことにした。

しばらくすると、雄太の呼吸はだいぶ整えてきた。

何の目的でこの植物が自分をつかまえたのか分からない
が、この異常な場所から早くはなれようと雄太は考えた。

「うっ……」

だめだ、両腕とも少ししか動かすことができない。投げ
つけられたときの衝撃は結構ダメージが大きいらしい。

「ふうぅ……」

雄太は思わず深いため息をついた自分に気付いた。

心臓が熱っぽくなり、頭の横の血の流れが活発になって
いるような気がする。

「どうしちゃったんだろう、ぼく……」

頬のあたりもだんだん熱っぽく紅潮してきた。

「ひゃっ」

背中のあたりに動くものを感じた。

横目でちらりと見回すとさっきまで無かった植物の触手が
いつの間にか自分のまわりに集まって来ていることに気付
いた。

「そ、そうだ。この触手をロープのようにたぐりよせれば
立つことなく外に出られる」

さっそく両腕をそれぞれ動かし始めたがうまく動かなかっ
た。それどころかもっとしびれてきている感じがする。

「ど、どうして体が……。ヤッ!」

ふいに自分の胸にはい上がってきた植物の触手に雄太は驚
いてしまった。

雄太は自分の胸がおそろしく敏感になっていることにも気
付いた。

「はあ、んんっ!」

植物の触手は体の自由がきかない雄太の胸を通り越して向
こう側にたどりつく。

そしてその間にも10数本くらいの触手が雄太の肢体をが
んじがらめにしていった。

「ん、ぃやあ……。ちょっとやめてぇ」

雄太は体中を愛撫するような感触に思わず甘いうめきを
あげてしまった。

「なんか、ぼく変……」

やがて、体をからめているものよりもちょっと太目の触
手がこちらにのびてきた。

先端をよく見ると、しゃもじのような形をしていて小さ
いイボイボが付いていた。

そのしゃもじ型のつるは雄太の着ている服の胸元のすき
間から進入して、乳首の上からかぶさってきた。

そして乳首の先端を微妙につまんだり転がしたりして、
やさしく胸を包みこんで愛撫を始めた。

しゃもじ型の2つ目の別の触手はそれと同時に首すじの
辺りを愛撫をし始める。

雄太はそのダブル同時の攻めに紅潮しながらも快楽に酔
い始めていった。

「ど、どうしてこんな目にあわなきゃいけないの」



しばらく体をまかせていると、今度は3つ目のしゃもじ
型のつるが現れた。

そして、その触手は雄太の股間へと近づいていく。

雄太はその気配に気が付くと股間の方へ薄く目を開けた
、そこのは3つめの触手と、柱に生える鋭い目が有った。

「こ、この植物は生き物だったんだ」

だが、雄太には植物の目的がわからない。

やがて、触手が太ももの内側をやさしくさすり始めた。

「ふっは……ん」

「だ、だめっ。そこさわっちゃ!」

雄太はあまり動かない右手で触手を防ごうとした。

しかし、後ろから別の触手が伸びてきて、右手をつかみ、
左手といっしょにして背中に縛り上げられてしまった。

「ああん」

雄太の両手が触手で固定されてしまったあと、さっきの
触手はそのまま太もも全体をうねうねと愛撫する。

雄太の秘口はずっと続いている愛撫のせいでかすかに、
開いていた。

「あうっ」

触手はとうとう秘密の突起に触り始めた。

電流が下腹部から頭に届くような感覚。

それは雄太にとって初めての感覚だった。

「はぁ、はぁ……、んむ」

触手は止まること無く雄太の突起への愛撫を続ける。

雄太はそのたびに走る電流に体をよじらせて受け止めて
いた。

胸の乳首の尖りをさらに尖らせるようにぬめらせて愛撫
する触手、鎖骨をさする触手、秘密の突起を責め続けて
いる触手が雄太を休ませること無く責め続けている。

やがて、雄太の秘口もパックリと空いて、妖しげな蜜の
よだれを流していた。

そしてその蜜には白っぽさも混じり、雄太が本気で感じ
ていることを如実にあらわしていた。

「ああ、だめ、何これ!」

雄太は腰やへその辺りに、なにか重く熱いものが溜まっ
てくるのを感じた。

「何かがきちゃいそうっ」

首や鎖骨の辺りを触っていた触手が、不意に右耳の中に
もぐり込んできたとき、その快感が頭の内部を走りぬけ
た。

そして、へその辺りから大きくふくらんでいた溜まって
いたものが体全部に爆発した。

「ん、ああああああああああん!!」

「きっ!きちゃううう、くううううん……!」

ガクガクッ

雄太は下腹部を前に思いきりつき出し、身を弓なりにし
て、生まれて初めての大きな快感の波にのまれていった。

「ん、んはあ!!」

「はあはあ」

「……そろそろ、いいようですわね」

「え?……今、植物がしゃべったの?……」

「んあ、んっ」

快感の余韻が残る雄太の体を、へそから首にそって触手
がさわっと撫で上げた。


              − 1−2へ続く −

<あとがき>
少しエッチすぎたかもしれませんね。(苦笑
現実にもネットワークゲームが流行しているのですが、
これの面白さは、他人とのやりとりの時に”役になり切
る”ところでしょうか。
そういう訳でこういう物語を創ってみました。

さて、次回もこの植物の変な陰謀などで展開していきた
いと思っています。
んでわ、またお会いしましょう〜。m(_ _)m

文/絵=都積せいやホームページ
Version=1.0(ときどきバージョン変えるかも(汗)
更新日=2001/3